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山口 義仁; 真野 晃宏; Li, Y.
Transactions of the 27th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT 27) (Internet), 10 Pages, 2024/03
加圧水型原子炉の重要機器の構成要素である蒸気発生器(SG)伝熱管では、経年劣化による局部減肉が報告されている。確率論的リスク評価やリスク情報を活用した意思決定に資するため、減肉の存在が確認された場合の伝熱管の破損確率の増加を評価する必要がある。また、SG伝熱管の破損確率を計算するためには、減肉を有する伝熱管の破裂圧力を評価する手法が必要である。本研究では、国内及び米国の破裂試験結果に基づき、減肉を有するSG伝熱管を対象とした既存の破裂圧力評価手法を改良し、精度の向上を図った。また、改良した破裂圧力評価手法を用いて減肉寸法を変えながら、通常運転から過渡条件における破損確率を算出し、減肉寸法と破損確率の関係を定量的に求めた。本論文では、上記破裂圧力評価手法の改良及び改良した破裂圧力評価手法を用いて算出した破損確率について報告する。
山口 義仁; 真野 晃宏; 勝山 仁哉; 眞崎 浩一*; 宮本 裕平*; Li, Y.
JAEA-Data/Code 2020-021, 176 Pages, 2021/02
日本原子力研究開発機構では、軽水炉機器の構造健全性評価及び耐震安全性評価に関する研究の一環として、原子炉配管を対象とした確率論的破壊力学(PFM: Probabilistic Fracture Mechanics)解析コードPASCAL-SP(PFM Analysis of Structural Components in Aging LWR - Stress Corrosion Cracking at Welded Joints of Piping)の開発を進めてきた。初版は2010年に公開され、その後もより実用性の高いPFM解析の実現を目的として、最新知見を踏まえて解析対象の拡充や解析手法の高度化等を実施してきた。今般、その成果を反映し、バージョン2.0として公開することとした。最新版では、解析対象の経年劣化事象として、ニッケル合金の加圧水型原子炉一次系水質環境中の応力腐食割れ、ニッケル合金の沸騰水型原子炉環境中の応力腐食割れ、二相ステンレス鋼における熱時効等を新たに加えたほか、最新の応力拡大係数解の導入や溶接残留応力の不確実さ等の評価機能の高度化を行い、より適用範囲が広く信頼性が高い配管の破損確率評価を可能とした。また、経年配管の耐震安全性評価の高度化に資することを目的に、巨大地震を想定した大きな地震応答応力に対応した亀裂進展量評価手法等を導入し、地震フラジリティ評価を可能とした。さらに、確率論的評価に係る影響因子の不確実さを認識論的不確実さと偶然的不確実さに分類し、これらの不確実さを考慮して配管の破損確率の信頼度を評価する機能及びモジュールを新たに整備した。本報告書は、バージョン2.0としてPASCAL-SP2の使用方法及び解析手法をまとめたものである。
西村 昭彦
第62回光波センシング技術研究会講演論文集, p.79 - 86, 2018/12
蓄熱プラントは極めて有用であり膨大な再生可能エネルギーの変動を安定化させる。蓄熱プラントの安全な運転にとって、FBGによる遠隔計測が期待される。このFBGセンサはピコ秒レーザ加工により製作された。耐熱性を最大限発揮させるため、銀コロイド接着剤を使用して金属モールドの中に埋め込んだ。模擬実験のため敦賀地区にあるナトリウム循環ループを使用した。ナトリウムは500Cの温度で配管内を循環する。実験中、緊急冷却が生じ配管収縮が記録された。先進的な遠FBGセンサを活用した隔計測技術が、蓄熱プラントが提案された。
勝山 仁哉; 宇野 隼平*; 渡辺 正*; Li, Y.
Frontiers of Mechanical Engineering, 13(4), p.563 - 570, 2018/12
被引用回数:2 パーセンタイル:12.21(Engineering, Mechanical)加圧水型原子炉(PWR)における原子炉圧力容器(RPV)の構造健全性評価において、加圧熱衝撃(PTS)事象時の荷重条件に影響する冷却水の熱水力挙動は重要な影響因子の1つである。機器の構成と寸法、運転員操作の時間が、冷却水の温度や流量、内圧等に大きく影響する。本研究では、運転員操作の時間がPTS事象中の熱水力挙動に及ぼす影響を調べるため、RPVや1次系及び2次系で構成された国内の代表的PWRプラントに対する解析モデルを整備し、システム解析コードRELAP5による熱水力解析を行った。日本と米国の規則に基づき、PTS事象が発生した後、日本の規則を参考に10分後、米国の規則を参考に30分後に、緊急炉心冷却系を止める運転員操作を想定した。その結果を用いて構造解析を行い、健全性評価における荷重条件評価も行った。以上の結果、運転員操作の時間の差異が熱水力挙動や荷重条件に大きな影響を及ぼし、日本の規則に従ったケースでは、米国のケースに比べてRPVの内圧が低下すること等を明らかにした。保守的な評価を行う観点から、米国の過渡事象は国内RPVの健全性評価に適用できることを示した。
西村 昭彦; 竹仲 佑介*; 古澤 彰憲; 鳥本 和弘; 上田 雅司; 福田 直晃*; 平尾 一之*
E-Journal of Advanced Maintenance (Internet), 9(2), p.52 - 59, 2017/08
超短パルスレーザーによる点描加工を用いて耐熱FBGセンサを製作した。このFBGセンサは高温の産業プラントの熱管理に最適のセンサである。ここでは金属モールドの内部に耐熱FBGセンサを埋め込み、ナトリウム循環配管に設置した。配管にはナノサイズ銀粒子による接着を行った。ナトリウム循環配管はナトリウム取扱い技術高度化のための実証施設である。この施設では500度を超える高温ナトリウムを毎秒5メートルの流速で循環させることが可能である。耐熱FBGセンサは配管エルボに設置され、熱膨張を明確に検出できた。さらに、急激な冷却過程では配管の収縮過程を解明することができた。我々は、耐熱FBGセンサを用いることで高温産業プラントに対して先進的な遠隔からの熱管理が可能であることを提案する。
眞崎 浩一; 宮本 裕平*; 小坂部 和也*; 宇野 隼平*; 勝山 仁哉; Li, Y.
Proceedings of 2017 ASME Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2017) (CD-ROM), 7 Pages, 2017/07
国内の原子炉圧力容器を対象とした加圧熱衝撃事象時の破損頻度評価を行うため、確率論的破壊力学(PFM)解析コードPASCALが整備されている。一般的に、PFM解析コードは試験との比較等を通じた機能確認を行うことができないことから、その信頼性確認は困難である。本論文では、PFM解析コードの信頼性確認に係る方法を示すとともに、解析コードに含まれた確率変数、アルゴリズムや解析機能に関する検証を実施し、解析コードの有効性を明らかにした。
山野 秀将; Xu, Y.*; 佐郷 ひろみ*; 廣田 和生*; 馬場 丈雄*
Proceedings of 2016 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2016) (CD-ROM), p.1029 - 1038, 2016/04
本研究は、先進ループ型ナトリウム冷却高速炉実証施設設計において、配管の健全性を確認するため、流力振動評価を実施した。主冷却系ホットレグ配管設計及び流力振動評価設計指針について述べた後、本論文では主として流力振動評価及び健全性評価について記述する。流力振動の疲労評価では、応力集中係数等を考慮した配管の応力は代表部位において設計疲労限を下回った。したがって、本評価により、実証施設の主冷却系ホットレグ配管の健全性が確認された。
鈴木 良祐*; 松原 雅昭*; 柳原 星児*; 森尻 貢*; 大森 敦*; 若井 隆純
Procedia Materials Science, 12, p.24 - 29, 2016/00
被引用回数:2 パーセンタイル:74.36(Engineering, Mechanical)二つの亀裂を有するステンレス鋼管の構造健全性評価を単純化するため、引張と曲げを組み合わせた非対称な二つの切欠きを有する管の塑性崩壊応力を調べた。非対称の二つの切欠きを有する管の実験的塑性崩壊応力を、単一切欠きを有する管の理論的塑性崩壊応力と比較した。実験的塑性崩壊点は理論的崩壊限界曲線よりも大きかった。単一の切欠きを有する管の理論的塑性崩壊応力を使用して、引張と曲げを組み合わせた非対称の二つの亀裂を有するステンレス鋼管の健全性を簡単かつ控えめに評価することができることを示した。
山本 正弘; 佐藤 智徳; 小松 篤史; 中野 純一; 上野 文義
Proceedings of European Corrosion Congress 2015 (EUROCORR 2015) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2015/09
福島第一原子力発電所では、廃炉に向かう取り組みが進められているが、これは30年もかかる事業である。原子炉の健全性をこの期間中保つためには、一部で使用されている炭素鋼の腐食劣化が大きな課題である。核燃料デブリなどの放射線の影響下での腐食を明らかにするためにCoを用いた線照射下での腐食試験を実施した。試験より、放射線の線量率の上昇に伴い炭素鋼の腐食量が増加し、同様に酸化剤の生成量も増加することが分かった。この結果をもとに、放射線下での炭素鋼の腐食速度予測手法を提案した。
中野 貴文; 佐藤 史紀; 白水 秀知; 中西 龍二; 福田 一仁; 立花 郁也
日本原子力学会誌ATOMO, 57(1), p.14 - 20, 2015/01
平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震では、日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所再処理施設(東海再処理施設)のある茨城県東海村において震度6弱の地震を観測した。本地震では、東海再処理施設の設計時の想定を超える地震動が観測されたが、建物・構築物及び設備に与えた影響について詳細な点検や地震応答解析及び両者の結果を踏まえた総合評価を行った結果、本地震後の東海再処理施設の健全性について問題ないと判断した。その結果について報告する。
西村 昭彦; 寺田 隆哉; 竹仲 佑介*; 古山 雄大*; 下村 拓也
Proceedings of 22nd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-22) (DVD-ROM), 6 Pages, 2014/07
2007年より、原子力機構ではレーザー・光技術を用いた構造健全性の監視技術開発を実施してきた。超短パルスレーザー加工によるFBGセンサが最有力手段である。耐熱性を最も有効に活かすためにレーザー肉盛り加工により埋め込みを行った。ステンレス鋼材に溝加工を施した。熱源にはQCWレーザーを使用し、フィラーワイヤを溶接した。溶接ビードは良好なものとなった。FBGセンサはしっかりと固定されたが、反射スペクトルに劣化は認められなかった。FBGセンサは衝撃や音響振動を効果的に検出することができた。加熱により6nmの反射ピークのシフトが得られ、これは600度の温度上昇に相当する。FBGセンサを固定するための小型レーザー肉盛り装置についても紹介を行った。
斎藤 滋; 辻本 和文; 菊地 賢司; 倉田 有司; 佐々 敏信; 梅野 誠*; 西原 健司; 水本 元治; 大内 伸夫; 武井 早憲; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 562(2), p.646 - 649, 2006/06
被引用回数:25 パーセンタイル:83.96(Instruments & Instrumentation)原研ではオメガ計画の下、高レベル廃棄物中のマイナーアクチニド(MA)を核変換するための加速器駆動システム(ADS)の開発を進めている。原研が提案するADSプラントは、熱出力800MW,鉛ビスマス共晶合金(LBE)冷却のタンク型概念を採用している。未臨界炉心にはMA+Pu窒化物燃料が装荷され、LBEは冷却材と核破砕ターゲットを兼ねている。このADSプラントでは年間約250kgのMAを核変換できる。実効増倍係数は安全性などを考慮し、0.97とした。未臨界炉心の構造に関しては、核破砕ターゲット周りの熱流動解析を行い、定常状態の陽子ビームに対して健全性を確保できる見込みの構造が得られた。同様に過渡状態の陽子ビームに対する構造健全性評価や予備的な事故評価も行った。
辻 延昌*; 柴田 大受; 角田 淳弥; 石原 正博; 伊与久 達夫
FAPIG, (169), p.13 - 17, 2005/03
高温ガス炉(HTGR)の高性能化に伴い、より高温となる炉心条件において燃料温度を許容温度以下に保つためには固定反射体ブロック間の間隙を狭め炉心をバイパスする冷却材流れを制限しなければならない。本研究は、冷却材流路を連成した3次元伝熱解析を実施し、高い耐熱性を持つ炉心拘束機構を開発してバイパス流れを厳しく制限しなければならないことを解析的に明らかにした。この炉心拘束機構として有望な候補材であるC/C複合材に着目し、最適厚さの設計及び直交異方性材料のFEM応力解析によりC/C複合材製の耐熱性炉心拘束機構の実現可能性があることを示した。本論文は、2004年10月に韓国済州島にて開催された国際会議(APCFS2004)で発表したレポートを和訳して紹介するものである。
栗原 良一
JAERI-Tech 2004-052, 39 Pages, 2004/07
核融合動力炉の設計において、コンパクトな炉で高い核融合出力を達成しようとすれば、プラズマから第一壁やダイバータ板上に数MW/mの熱流束と高速中性子束が作用する。その場合、第一壁表面や材料中に微小き裂が発生する可能性は十分考えられる。微小き裂が疲労やクリープなどによって有意な寸法のき裂に成長した場合、第一壁の構造健全性は非常に低くなる。第一壁内をき裂が貫通すれば、核融合炉の安全性を脅かす要因の一つになりうる。本報では、このような使用環境にさらされるフェライト鋼またはSiC/SiC複合材料で製造した核融合炉第一壁が抱える構造健全性上の課題を整理した。
日高 昭秀; 鈴木 雅秀
JAERI-Conf 2003-014, 178 Pages, 2003/09
国の原子力施設等安全研究年次計画に基づいて原研が進めている原子炉安全分野全課題について研究成果を報告するとともに、最近問題となっている沸騰水型炉シュラウド等の健全性評価に関して調査結果を紹介し討議することにより、今後の原子炉安全研究の推進や経年構造物の健全性にかかわる問題の解決に役立てることを目的として、標記ワークショップを2003年3月17日に東海研究所で開催した。本ワークショップには、報道関係の日本テレビ及び新いばらき新聞を含み、所外から38名,所内から57名,計95名の参加があった。本報告書は、上記ワークショップで使用したOHP,質疑応答,質問票・アンケートに対する回答等を取りまとめ、講演集としてまとめたものである。
鬼沢 邦雄; 堤 英明*; 鈴木 雅秀; 柴田 勝之; 上野 文義; 加治 芳行; 塚田 隆; 中島 甫*
JAERI-Tech 2003-073, 125 Pages, 2003/08
沸騰水型原子力発電所炉心シュラウドのひび割れに関し、原子力安全委員会による事業者による健全性評価報告書の妥当性確認に資するため、SCC進展評価線図の妥当性,き裂進展量の評価、及び健全性評価に関する調査を実施した。調査は、東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所3号機のシュラウド下部リング部及びサポートリング部、並びに福島第一原子力発電所4号機のシュラウド中間胴部の溶接部近傍に確認された応力腐食割れを対象とした。SCC進展評価線図に関しては、リング部の材料・環境条件に対するSCC進展評価線図のデータを分析し、日本機械学会維持規格の線図の保守性を確認した。き裂進展量の評価に関しては、き裂形状のモデル化を行い、最適な応力拡大係数算出式を採用してき裂進展解析を行った結果、リング部及び中間胴部ともに、事業者の評価結果が保守的であることを確認した。シュラウドにき裂が存在する場合について、剛性の低下に関する構造解析を実施した結果、剛性低下はわずかであり、地震荷重に対するき裂の影響は小さいことを確認した。シュラウドの健全性に関して、運転時及び地震時の荷重条件から必要残存面積及び許容き裂長さを算定し、き裂進展解析結果と比較を行った。この結果、リング部及び中間胴部ともに、実運転4年間後も健全性は確保されることを確認した。
粉川 広行; 石倉 修一*; 羽賀 勝洋; 木下 秀孝; 神永 雅紀; 日野 竜太郎
Proceedings of ICANS-XVI, Volume 3, p.1295 - 1304, 2003/07
水銀ターゲットでは、パルス陽子ビームが水銀ターゲットに入射する際、水銀の急激な熱膨張によって圧力波が発生,伝ぱする。そのため、SUS316L製の水銀ターゲット容器には、過大な動的応力が発生し、ターゲット容器の構造健全性に影響を及ぼす可能性がある。そこで、水銀ターゲット容器、特にビーム窓の構造健全性を評価するために、1MWパルス陽子ビーム入射条件下での動的応力挙動を有限要素法によって解析した。半円筒状、及び平板状ビーム窓を持つ2種類のターゲット容器を解析モデルに用い、両者の結果を比較した結果、圧力波によってビーム窓で発生する動的応力が2次応力として取り扱うことが可能であり、平板状ビーム窓を持つターゲット容器が半円筒状ビーム窓のターゲット容器よりも構造的な観点から有利であることを明らかにした。併せて、セイフティーハルの構造強度評価を行い、健全性が確保させることを明らかにした。
Li, Y.*; 加藤 大輔*; 柴田 勝之; 鬼沢 邦雄
日本機械学会論文集,A, 69(678), p.239 - 245, 2003/02
確率論的破壊力学(PFM)コードPASCALでは、破損確率の精度及び信頼性向上を図るため、延性き裂進展による破壊抵抗の増大を考慮できる機能を導入している。すなわち、従来この種のコードで使用される線形破壊力学基準に加え、R6法カテゴリ1基準及び延性き裂進展を考慮するためR6法カテゴリ3基準を導入した。さらに、照射材の標準的な材料抵抗曲線も導入している。本論文では、R6法及び材料抵抗曲線の導入方法を述べるとともに延性き裂解析機能を用いた種々の解析により、圧力容器の破損確率に及ぼす材料の破壊抵抗曲線の影響,半楕円初期き裂の影響,入射時間刻みの影響などを検討した。例題解析の結果、延性き裂の進展を考慮した場合、圧力容器破損確率は大幅に低下し、破損確率の精度及び信頼性向上を図るためには、延性き裂の進展を考慮することが極めて重要であることがわかった。
鬼沢 邦雄; 鈴木 雅秀
Effects of Radiation on Materials: 20th International Symposium (ASTM STP 1405), p.79 - 96, 2001/07
原子炉圧力容器の健全性評価では、シャルピー衝撃試験から得られる遷移温度シフトが破壊靱性のシフトと等しいと仮定して、照射後の破壊靱性を評価している。そこで本研究では、予き裂シャルピー破壊靱性(PCCy)試験片を用いて求めた破壊磁性シフトとシャルピー遷移温度シフトとの比較を行った。4種類の国産圧力容器用ASTM A533B-1鋼を用い、中性子照射試験はJMTRにおいて、最高1310(n/cm,E1MeV)まで実施した。また、照射後焼鈍による脆化の回復挙動についても、双方のシフトを比較した。焼鈍条件は、350及び450で100時間である。破壊靱性シフトは、最弱リンク理論に基づくマスターカーブ法を適用して求めた。ばらつきは大きいものの、破壊靱性遷移温度のシフトは、シャルピー試験から求まる遷移温度シフトとほぼ等しいという結果を得た。
加治 芳行; Gu, W.*; 石原 正博; 荒井 長利; 中村 均*
Nuclear Engineering and Design, 206(1), p.1 - 12, 2001/05
被引用回数:9 パーセンタイル:56.08(Nuclear Science & Technology)工業用黒鉛材料は、引張荷重に対して非線形な応力-ひずみ挙動を示すが、これは材料内部において分布される微視的空隙とき裂の発生及び進展によって黒鉛材料の剛性が低下することによると考えられている。そこで本論文では、連続体損傷力学を脆性材料構造物の非線形弾性挙動の評価に適用し、構造健全性を損傷パラメータによって評価するプログラムを開発した。また黒鉛構造物を用いた健全性評価試験結果及び弾性解析結果との比較検討した結果、損傷力学を考慮することによってより高精度な損傷評価が可能なことが明らかになった。